第1章 誕生~自覚

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手のひらと頬の すり傷を消毒してもらい 大袈裟な位 大きな絆創膏を貼って貰った。 保健室の先生に 「夜も お家の人に消毒して貰いなさいね」と言われ 「ありがとうございました」と保健室を出て教室に向かう。 ヒリヒリと痛む手のひらを押さえながら 何故 転んだのか…考えて落ち込む。    何で僕 突き飛ばされなきゃならないの?      『蹴られたよね』    また お母さんに怒られるのかな…      『怪我しちゃったから?』    だって 前も怒られたし…  僕は 何をしても 何をされても ーウソつきーのレッテルで怒られる。        ハァァァ…家に帰りたくないな… ため息をつきながら教室へ入った。 「おはよう!アータン!」 テル君が駆け寄る。「どうしたの?その顔!」とトモちゃんが覗きこむ。 「おはよう!朝 学校に来る途中で転んじゃった」 「ドジだなぁー」と笑い合った。    
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