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俺はしがない推理オタク。
高校生にもなって、推理オタクかよ。
そう思う人もいるだろう。
しかし、推理小説や推理漫画は非常に面白い。
特に推理ドラマが大好きだ。
「おい!ぼさっとしてないでしっかりやれ!」
「は、はい。」
しかし今俺はコンビニのバイトをしている。
「今のうちにバイトをして、世のため人のため働くといいぞ!」
と父に言われお試し感覚でやってみた。
しかしコンビニ…どこかの探偵の助手でもしたい。
あああ~ちょっとあれだけどコンビニで大事件とか起きないかな~。
いや、被害者俺以外限定でね。
「きゃあああああ!!!」
あれは俺のバイトの先輩をしてる留美か・・・ハッ!
これあれじゃない?
何か大事件が・・・?
どうやらこの声はトイレから聞こえたようだ
「留美さん!どうしましたか?」
「く、蜘蛛~」
「・・・」
いやいや、これ絶句するしかくね?
しぶしぶ蜘蛛を外に追い出し「はぁ~」とため息をつく。
外に放り出すとき、雨がふっていた。
「・・・雨か」
まるで俺の今の心を暗示してるようだ。
今は深夜、コンビニの店員は自分含め5人いる。
客はいない、もう店員は一人でいい気がする。
大事件よおこれやおこれ、俺が名推理で解決してあげますよ~。
すると、それに呼応したかのようにさっき俺をどなったおじさん、金治さんが「なん・・・だと・・・」と酷く動揺している。
「あ、どうしましたか!?」
「いや、このプリンはな、ムッチャうまいわけでよ。他のコンビニで買った事はあるが、絶品だった。これは税込324円!そこそこ高いんだよな…万引きしたいレベルだ」
「そうですか。ではしごとにもどります」
はあ、マジふざけんなよ。
紛らわしい・・・。
「あ」
バイトの唯一の後輩正志がそう呟いた。
ああ、もう分かってるよ。
どうせ何か落としたとか虫がいたとかそんなもんなんだろ。
ハイハイハイハイ分かってますよ。
「金治さんが言ってたプリン、ひとつ足りませんか?」
そう、これはコンビニバイトの裏側だがひとつの棚に置く個数は決まっている。
確かこのプリンは5×3個おくと決まっていた。
つまり15個。
しかし置いてあるところをみると確かに1個減っている。
俺は今までのことを整理した。
プリンを金治おいたのはついさっき、つまり万引き犯はその時コンビニにいた人物に限られる。
「この中に万引き犯がいる」
そう確信した
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