第1章

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今日も熱帯夜、纏わりつく暑さを掻き分けながら塒のアパートに向けて歩む。 意識せずに言葉が口から漏れる。 「暑い」 暑いと呟いた俺の耳に、「冷やしてあげよう」と言う声が聞こえた。 声のした方を見る。 其処には身体が透けて見えるおっさんがいて、俺に抱きついて来た。 おっさんに抱きつかれたら、一挙に身体が冷やされ周辺に涼しい風が舞う。 ああーー涼しい! でも、どうせなら、こんなおっさんに抱きつかれるのでは無く、向こうに見える透けた身体の女の子に抱きつかれたかった。
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