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今日も熱帯夜、纏わりつく暑さを掻き分けながら塒のアパートに向けて歩む。
意識せずに言葉が口から漏れる。
「暑い」
暑いと呟いた俺の耳に、「冷やしてあげよう」と言う声が聞こえた。
声のした方を見る。
其処には身体が透けて見えるおっさんがいて、俺に抱きついて来た。
おっさんに抱きつかれたら、一挙に身体が冷やされ周辺に涼しい風が舞う。
ああーー涼しい!
でも、どうせなら、こんなおっさんに抱きつかれるのでは無く、向こうに見える透けた身体の女の子に抱きつかれたかった。
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