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燃えるような、鮮やかな紅玉の瞳に、やわらかそうな桜色の唇。そして何よりも目を惹く黄金の髪が、なんとも魅惑的かつ幻想的だった。ただ教科書を読んでいるだけなのに、とても絵になる光景だった。
「初めまして。今日からよろしくお願いします」
まずは、クラスに馴染むことが最優先――そう考えたリオンは、隣の女子生徒に挨拶をした。
だが――
「――フンッ」
一瞬だけこちらに視線を投げ、またすぐに本へ視線を落とした。
どうやら、あまり歓迎されていないようだ。
リオンはこれまで、様々な潜入任務をこなしてきた。他国の騎士団、研究施設、闇組織……。
潜入に最も大切なことは、警戒心を解き、信用されることだ。
だが、十代半ばの多感な時期にある生徒達から信用を得るには、相当苦労しそうな気がした。
案の定、ホームルームが終わるとすぐ、リオンの周りにはちょっとした人だかりができていた。
「ねえねえ、リオンくん! この時期に編入って何か理由があるの?」
「てか、理事長からの推薦があったって本当!?」
「アスクライヴって姓は聞いたことないけど、どこの貴族だ?」
「ねぇ彼女とかいる!?」
クラスメート達からの怒涛の質問攻めに、流石のリオンも目を白黒させた。
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