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本当のことを言うわけにもいかず、かといってぞんざいな対応も悪印象を与えかねない。上手く誤魔化しながら一つ一つ質問に答えていったリオンは、最後はぐったりと机に突っ伏していた。
(なんだこれ……今までの任務で一番キツイぞ! 思ってた以上に大変な仕事になりそうだ……)
一限目の授業のチャイムがなり、生徒が各々席へ戻る中、リオンは引き攣った表情で乾いた笑みを漏らした。
慣れない経験をしたせいで、油断したのかもしれない。自分に向けられたとある視線に、リオンは最後まで気づくことはなかった。
◇◇◇
放課後、リオンはある校舎の裏に来ていた。
周囲を警戒し誰もいないことを確認すると、左手にはめた機械じみた金属製のブレスレットを顔に近づけた。
「――こちらセカンド。聞こえるか?」
「こ、こちらシックス。聞こえます」
ブレスレットから聞こえてきたのは、ミリアの声だった。
これは、魔術を応用して遠くにいる人と会話を可能にした、通信機器だ。
ちなみにセカンドやシックスは、任務時に使うリオン達のコードネームである。
学院外でリオンのサポート任されたミリアは、おそらく街のどこかで待機をしているのだろう。
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