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第一章 魔術学院に潜入せよ!?
マグナリア帝国。人口は約五千万人、中央区を含む東西南北と五つのエリアからなる帝政国家。
その帝国の西区にあるのが――学術都市アレスティアだ。
帝国で最も魔術の研究、そして魔術師の育成に取り組んでいる地区。世界でも有数の魔術師育成機関『アレスティア魔術学院』がその最たる例だろう。
毎年、多くの優秀な魔術騎士や研究者を輩出しているエリート校。国から莫大な資金が与えられているだけあって、教育環境はもちろん魔術を利用した魔導器の研究・開発も盛んに行われている。
一流の魔術師達が世に出て活躍し、それに憧れた魔術師の卵達が入学、また世に出て活躍する――。まさに魔術とともに発展し、魔術とともに栄えてきた都市といえるだろう。
そんな町にリオンが到着したのは、まだ日が昇ったばかり、微かに朝もやが立ち込める頃だった。
麗かな陽光が整然とした石畳を照らし、鋭角の屋根が特徴的な古式建築様式造りの建物が立ち並ぶ大通りには、すでに行き交う辻馬車や人々で賑わいでいた。
リオンは人波と大通りが続く先、都市の中心にそびえ立つ古城のような外観の建物――アレスティア魔術学院を目指していた。
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