1.はじまり

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「ねえ、遊ぼうよ」 「……え?」 よく晴れた午後。 子どもたちがたくさんいる公園で、1人だけ砂場にいる男の子がいた。 バケツに砂を入れて型を取る遊びをしていたが、話しかけられて顔を上げた。 女の子と男の子が並んでこっちを見ている。 「だめ?」 「えっと…」 突然のことで戸惑ってしまう。 話しかけられた男の子は下を向いた。 「香苗、びっくりさせちゃってるよ」 「あ、ごめんね…」 相手の男の子が女の子…香苗を止めた。 「いいよ、大丈夫。えっと…香苗ちゃんと?君は?」 「小宮陽介!こっちは佐藤香苗ちゃん!さっきブランコしたけど、砂場に君がいたから、話してみようと思って!ねえ、名前なんて言うの?」 「……向井順一」
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