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夏休みから数か月後。
受験勉強に励む2学期を迎え、年末年始を過ぎて受験を受けた3人は志望校に合格できた。
卒業式の日。
ふわふわと雪が降る中、校舎の隅にある花壇のそばで香苗は陽介から告白された。
陽介「前から好きでした。付き合ってくれますか?」
香苗「うれしい...よろしくね」
そんな2人を、離れにある大きな桜の木の後ろに隠れていた順一もこっそり見ていた。
これで、いいんだ。
これで。
誰も傷つけたくない、そんな卑怯な俺は、香苗の恋人になんてなれないんだ。
涙は出なかったが、心にはたくさんの冷たい氷の破片が刺さったようで痛い。
その痛みは順一、陽介、香苗の関係に小さいヒビが入った瞬間だった。
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