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「ねえ、遊ぼうよ」
「……え?」
よく晴れた午後。
子どもたちがたくさんいる公園で、1人だけ砂場にいる男の子がいた。
バケツに砂を入れて型を取る遊びをしていたが、話しかけられて顔を上げた。
女の子と男の子が並んでこっちを見ている。
「だめ?」
「えっと…」
突然のことで戸惑ってしまう。
話しかけられた男の子は下を向いた。
「香苗、びっくりさせちゃってるよ」
「あ、ごめんね…」
相手の男の子が女の子…香苗を止めた。
「いいよ、大丈夫。えっと…香苗ちゃんと?君は?」
「小宮陽介!こっちは佐藤香苗ちゃん!さっきブランコしたけど、砂場に君がいたから、話してみようと思って!ねえ、名前なんて言うの?」
「……向井順一」
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