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─────産声の声を聞いて秀秋は涙を流した。
出産に立ち会うことを希望したものの、妻の苦しむ姿を見るのが居たたまれなく感じていたところだった。
しかし、その瞬間、彼も、妻も、苦しみなどどうでも良くなる程、生まれてきてくれた生命に対して、無償の愛を抱いていた。
「───おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」
妻が赤ん坊を抱えて笑顔を浮かべている様子を、彼は一生心に刻もうと思っていた。
そこへ助産師が彼に対し、お父さんも抱いてあげてください、と言う。
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