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これは 私が 体験した話です。
高校の時の修学旅行 二泊目の京都の宿で
夜 布団に入りながら はじめは 猥談に花を咲かせていた同じ班の五名
夜中零時を過ぎた頃には いつのまにか 怪談へと 話が移行していました。
と言っても 私以外は あまり怖い体験記などなくて 結局は 話のおちに
「そこには頭蓋骨があった」の一言で 終いになり それが 定番化しては
怪談よりも もはや ギャグ的な展開になって行ったので
私としては あまり 意識せず たまに 本当の実話怪談を混ぜては
適当に 怪談会ならぬ ギャグ的な怪談会が 続けられていたのだが
さて ギャグ的な怪談にも 同じパターンでは うけもなくなってきて
そろそろ 寝るかと皆思い始めた時
私は 床の間の辺りが やたら 気になって仕方がなくなり
そっちを見ては 真剣な怪談を話して 皆を怖がらせていたのだが
ふと 床の間に飾ってある 壺に意識が行ってしまい
目が離せなくなってしまいました
しかし まだ怪談を続けようと もう一人 たまに怖い話をふってくる
友人Fが 小さな武者が 寝床で切りつけて来ては 目が覚めたら 枕が切られていたという話をした時
床の間の壺の口から 何かが ひょこっと 顔を出したのを みてしまいましたね
私は そんな時は 慌てずになかったことにしちゃうのだが
その友人Fが 私の視線に気がついて そこを みてしまったのが 運のつき
「なんじゃぁありゃぁ」っと 壺を指差しては 大騒ぎしてしまい
他の人も パニック寸前に
いやいや 壺から 小さな武者ではなくて 目玉が一つだけ 出てきては
ぱちくりと まばたきして また壺の中へ 消えて行くところ
皆 見ちゃった訳で
仕方なく 「なんだよ この宿 ごきぶり出るじゃんかよ」と言っては
その壺の上に お茶の乗っていたお盆を被せて 出てこれないようにしては
皆を安心させましたが
いやいや やはり ふざけ半分でも 夜中に怪談は やめておいた方が いいですね
あいつらを 呼び込んでしまうって 教訓を得ましたね
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