さよなら、花嫁。

俺がコーヒーの準備をしていると、様子を見ながら話しかけてきた。

｢あの……私が言うのもなんなんですけど｣

｢はい？｣

｢ここまでしてくださっていいんですか？悪い人かもしれないですよ｣

その言葉に少し笑いそうになりながら、返す。

｢まず、悪い人はわざわざ自分の罪晒すようなこと言いませんよ｣

｢あ…｣

｢それに、俺自覚があるお人好しなんで。金品取られたら、それはそれでいい経験になりますよ｣

｢そ、うですか｣

どうやら彼女は俺の言葉に戸惑ったようで、その後黙りこくってしまった。

…静かだとそれはそれで…気まずい。

急いでコーヒーを作ると、机に置いた。

｢どうぞ、インスタントですけど｣

｢…どうも…｣