さよなら、花嫁。

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…どうしよう、なんか楽しくなってきてしまった。 「塩生さん、お部屋片付いてますね。男の子の一人暮らしって、もっと散らかってる印象でした」 「それなりに片付いてないとイライラしちゃうんですよね、自分に」 「そうなんですか。食事とかは作るんですか?」 「それなりに作りますけど…あ、今日バイトの賄いがあるんですけど、食べます?」 話しているうちに、賄いがあることを思い出して立ち上がった。 今日の賄いはなんだったっけ。 「バイト、何してるんですか?」 「カフェです。駅の近くの。パンとか出してるんですけど、焼きたてが売りなんで売れ残りは俺たちのとこに回ってくるんですよ」 そういって、袋の中を見てみるといつもよりは少し多めに入っていた。 台風が思ったよりも早く東京近くまで来てしまったため、予定より余ってしまったのだ。
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