ボーンヘッド・木暮敦士side

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 その時…… ゴールドスカルも垣間見た。 それは野次馬の中の…… 妻へストーカー行為をしていた奴が手にしていた。 偶々俺が目撃して…… 話したんだ。 でも妻は信じなかった。 ソイツとは幼なじみで、親友だと言っていた。 妻は俺が嫉妬したと思っていたようだ。 妻は幼馴染みだ。 だからアイツが誰なのか、俺が知らないはずがないんだ。 売れっ子のヘアーメイクアーティストの妻を誘惑する気だと踏んだのだ。 美人だし気立てもいい。妻に惚れてストーカーなった奴が居たとしても不思議ではない。 (でも、何故親友なのだろうか?) 俺は妻を疑い始めていた。 それでも俺は感じ取っていた。 何か事情があるのではないのかと…… だから守ってやらないといけないと真剣に考えようとしていた。  その時、俺は思い出した。 さっき乗ったエレベーターの中に帽子を目深にかぶったソイツがいたことを。 きっと出入りの業者の振りをしていたんだ。 それとも、俺の行動を監視していたのだろうか? いずれにしても、俺をこの状態にさせたのはソイツしかないと思い始めていた。 多分ソイツはエレベーターが閉まる前にゴールドスカルを掴み、そのまま移動させたんだ。 丈夫なチェーンが俺の頭を此処に落とした。  俺はその時、大事なことを思い出した。 金髪のロン毛だった頃から比べるとそのペンダントヘッドにすぐ手が届くだろうってことを…… (もしかしたら俺のこの頭が、ソイツの殺人願望を刺激したのかも知れない) 俺は俺自身にも非があったのだと考えていた。  ソイツにとって俺は邪魔な存在だった。 だから、この計画を企てたんだ。 それには、このイベントが好都合だったのだ。 きっとこの後で妻に近付く気なのだろう。 妻が心配だ。 物凄く心配だ。 俺は…… 最期に僅かに残った意識の中で、ゴールドスカルに憑依することを決めた。 ストーカーがそれをポケットにしまうの前に。 ボーンヘッド…… ヘマ遣っちゃったからな。 ストーカーの存在に気付きながら、何の対処もして来なかったからな。 せめてもの罪ほろぼし…… 俺は絶対に妻を守る!! 俺と同じ状態の、あのゴールドスカルになって……
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