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第1章 (1)ヴァロンside
もしも……。
黒い髪と瞳に生まれていたら。
右利きで生まれていたら。
何かが変わっていたんだろうか?
もしも……。
両親と似ていたら。
左利きじゃなかったら。
愛してもらえたんだろうか?
「あんたなんか、生まなきゃよかった……!!」
白金色の髪をグッと手で掴むように握られて。
白金色の瞳をキッと恨めしい眼光で貫かれる。
痛いのか。
悲しいのか……。
怒っているのか。
憎んでいるのか……。
俺には分からなかった。
……。
「アンタ、綺麗ね。
その容姿は神様があんたに与えてくれた財産よ。
隠す必要ないわ。
むしろ、見せてやりなさい!」
彼女の言葉が、俺に夢をくれた。
俺の、夢の配達人……。
……
…………。
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