40人が本棚に入れています
本棚に追加
結婚してから、早いものでもう三ヶ月経った。
初めはここでの……。
夢の配達人の妻である生活に戸惑っていたアカリも、だんだん落ち着いて今は平穏な毎日。
……けど。
相変わらず仕事の減らない俺は、なかなか休みがなければ帰りも夜遅い。
酷ければ今回みたいに深夜や明け方に帰ってきたり、数日間泊まりでの任務に出掛けたり……。
アカリをこの家に一人にしてしまっている。
でも、彼女は何も愚痴を言わなかった。
今朝みたいに一時でも俺と顔を合わせれば喜んでくれて、美味しい手料理で俺を迎えてくれた。
俺はそんなアカリに救われていて、”寂しい”と言わない彼女に自分が甘えている事に、気付かなかった。
自分の事でいっぱいいっぱいで、アカリが抱えている不安を……。俺は知らない。
最初のコメントを投稿しよう!