小雨の妖精(Ⅰ)

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それは私が図書館にいた時だった。当時大学生だった私は、空きコマなどでよく大学の図書館を利用していた。 こんな風に言うと私が友達のいない寂しい学生だったように感じるかもしれないが、別にそういうわけではない。多くはないが、友達は何人かいた。 しかし私は女子の「いっしょに~しよう」というのがあまり好きではなかったため、講義は基本誰かに相談することなく勝手に履修していた。そのため空きコマが手持ち無沙汰になってしまった。 そこでこの時間を有効に使おうと思い、図書館でレポート課題や自主的な勉強をやるようになった。 その日の外は曇っていて小雨が降っていた。窓際の席に座っていたため、それがよく分かった。 その席は小学校の時に買ってもらった学習デスクのような形(もちろん引き出しもスタンドライトもないが)をしているため、周りから少しだけ隔離されていて、さらに窓際で外の景色も楽しめこともあり、私のおすすめの場所となっていた。 椅子と机が、温かい木でできていたせいでもあるだろう。とにかく私はその席をいつも利用していた。 その時の私はたしか、ある講義で出された課題レポートに取り組んでいた。 そして1時間くらいその面倒なレポートと闘った後、少し休憩しようと思って、古い洋楽をイヤホンで聴きながら、ぼんやりと外の景色を見ていた。
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