小雨の妖精(Ⅰ)

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小雨の妖精(Ⅰ)

少し肌寒い秋の時分、私は不思議なものを見た。いや正確には体験したと言うべきかもしれない。 いずれにせよ、私は今でもその時の出来事が脳裏に焼きついていて、思い出すたびに人形のようにどこか一点を見つめながら、不思議な感覚に浸る。 そのせいで友人からは、隠れ不思議ちゃん疑惑をかけられている。それはまぁ、定期的にぼっとする人を見たら、不思議ちゃんと呼びたくなるのかもしれない。しかし本当に厄介だ。 そんな思いも含めて、私は今日ここにその時の出来事を執筆したいと思う。この頃は事務的な文章ばかり書いてきたせいで、上手く書けないかもしれない。だから温厚篤実な人に読んでもらいたいと思う。
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