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夕方17時タイムカードを押す。これから6間間の戦いだ。22時からの1時間は時給が少し上がるもんだから少しお得な感じだな。まあでも最高に眠いけどね!みなさん、考えてもみてごらんよ!
「俺6時起きだからね!」
一限が9時からだから俺の家からはその時間に起きないと間に合わない。で、受ける。空きの時間で仮眠とる。で、また講義出る。そして、急いでコンビニ来る、そんでレジ打ってる、俺!!!!
「超偉くない!!?」
「うるせぇぞ新人」
確かに俺の家庭じゃ奨学金払っていけませんよ!覚悟してたよ、大学行く傍ら働くってさあ!でも!でも!!!!!!!
こんなアルバイト辛いものなの?田中は飲み屋で、斎藤はカラオケ屋で同じ時間働いてるらしいけど、あいつらこんなこと毎日続けてんの?
で、なんで彼女までいるの?
しかもかわいいし、おっぱいでかかったし、何あれ。
いつ寝てんの?なんなのサイボーグなの?
「並んでるぞ新人!」
「すいやせん!」
くそーなんだよ、俺だけハードモードの人生歩んでる感じ?しかもバイトていったら女の子と知り合える率多いのにここのコンビニ!!おっさんのオーナーと30代ハゲのフリーターしか見ねぇし!!あと客も客だろ、スポーツ新聞と酒とアダルト誌の売行き半端ないからね。
「200円のお釣りで……」
「おお、にいちゃん。いつもごくろーさん」
「ありがとうおっさん」
違うの!こういうのも若くてかわいい子に言われたいわけよ。学生のバイトってこうなんだかさ、金稼ぐだけが全てじゃないじゃない。ワクワクしたいの。ほんとに。ワクワクがすべておっさんやおっさんに奪われていく俺の放課後ってどうなの?
ふと、スマホに目を落とす。勤務中見てはダメだよ?俺だけが許されてんだからねー、おっさんしかいないもんだから。流行りのSNSから知り合いの状況が流れてくる。水島は家族と旅行かー、野崎は友達と遊園地かー。みんな楽しそうね。視界から入る他人の幸せほど辛いものはない。
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