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 広い和室。天井には色とりどりの花と、東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武の四神が描かれ、床の間には日本刀が飾られている。開け放たれた襖の先には、日当たりの良い縁側と広い庭。梅の香りがただよってくる。  小春日和の清々しさとは裏腹に、俺は汗と男の吐き出した物でドロドロの布団に、裸で横たわっていた。 「あと少しで、これも完成だな。楽しみだ。」  男は俺の内腿に手を這わせ、愛おしそうに撫で回した。 「そろそろ、寝そべってないで、四つん這いになって、ケツを突き出せ。」  男は俺の体をひっくり返すと、腰を掴み引っ張り上げた。 「ああ、ケツだけじゃ物足りないか。おい、お前。こいつの口に突っ込め。」  脇に控えて座っていた若い男がのそりと立ち上がった。その男は俺の目の前でズボンのファスナーを下げ、中から肉の塊を引っ張りだすと、何のためらいも無く、俺の口に突っ込んだ。  それと同時に、後ろの男は俺の際奥まで躊躇せず突き上げた。 「ん、んっんー」  後ろの男に何度も突き上げられるタイミングで、前の男も喉を押し開いて突っ込んでくる。手で前の男を押しのけようとするがビクともしない。更に奥へ押し込まれるだけだ。 「うぐっ。ううっ。」  苦しい。息ができない。腰を引かれた瞬間に吸いこむが、吐き出せない。だんだん意識が朦朧としてきた。それでも必至に息をしようと、もがけばもがくほど、後ろの男は興奮する。 「ああ、もうすぐ落ちそうか。後ろがキュウキュウしてきたぞ。落ちる瞬間の締め付けは最高だぞ。ああ、もう少しだ。あと、二・三回、喉を絞めたら落ちるな。ほら、いーち。にーい。さーん。うっ、ああっ。」  前の男が、後ろの男の掛け声に合わせて、俺の喉をグッとふさぐ。俺は後ろの男が言った通り、三回目で意識を手放した。どうやら、その瞬間に後ろの男も達したようだ。  ああ、どうして俺がこんな目に合わなければならないのか。俺の目から涙が一筋流れた。  俺は決意していた。明日、決行する。もう、ここには留まらない。こんな苦しみは、これで最後だ。
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