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7話 7/7 2350キロの彼方へ旅立ちの日!
ついに出発当日が来た。
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…行かなきゃいけない日かぁ。
昨日はネルが桶を拾い、色々な果物や雛の食料を、時間をかけて集めてくれて、桶に入れてくれ1日が終わった。
そして、今日旅立ち予定日!
朝、僕は目覚めてに翼の下にある卵を見る為に翼を広げた。
…ん?
…んー!??
『ネル起きて!』
「なんだよ、、、。
まだ眠いのに、、、。」
『ネル、卵が割れてる、、、。』
「嘘だろ?」
飛び起きたネルが卵をよく見る。
その時だった。
『ピーピィー!』
足元の先で何か声が聞こえた。
「おい!
ナギこれって、、、。」
『そうなのかな?
この子。』
なんて事だろう。
僕は自分の子供が卵から孵る瞬間を寝てて寝過ごしたらしい。
「おい、、、おい、どうすんだこれ?」
ネルも動揺を隠しきれないみたいだ。
僕は雛を咥えて、ネルが持って来た背の低い桶にそっと雛を置いた。
桶から顔を出して雛が僕とネルを見て、ピーピィーピーピィー鳴いている。
「かわいいもんだな。
ナギ。」
『そうだね。
会えたよネル!
出発前によかったー。』
2羽で僕の子供を見ていた。
「オレの子供は元気にしてるかな?」
『そっか、普通は卵を産んですぐ出発するんだもんね。
ネルも子供見たかった?』
「あの時はそんな事を考えもしなかったな。
積乱雲越える、どの渡りカモメより先にオレはたどり着くそれで頭がいっぱいだったからな。おい、ナギジュニア!」
ネルが嘴でツンツン雛をつついていた。
『ちょっと、ネル、多分この子も僕に似て怖がりだから、、、。』
そう言いかけたら、雛は意外にも嬉しそうにピーピィーとネルに鳴いていた。
「怖がり?
これが?
好奇心の方が上みたいで、そこらへんもナギに似たみたいだな。」
『あははは。
そうなのかな?
ネルいつ頃出ようか?』
「昼に出ようかと思うが、子供見て決心が鈍ったか?」
『そんな事は無いけどさ、昼まで食べる物もう少し取って、子供の為に嘴で崩してから出発したい。』
「了解だ。」
僕は海に、ネルは山に万全の準備をする為に飛び立つ。
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