3.1話

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でも生きている間に向かわなきゃいけないのは本能でわかっている。 生き物はそういう本能を持って産まれて来るのは少なくない。 何100キロも離れた水辺に、家族を引き連れて移動するシマウマ。 色々いるんだよ。 そう僕に教えてくれたのはたまにここに遊びにくるクジラのお爺さんだ。 僕がカモメではなく、渡りカモメだと言うのもそのクジラのお爺さんに聞いて、本能でいつか行かなきゃ行けないと思っていたので、渡りカモメの種類を聞いてしっくりピンと来た。 「あー食ったな。 サンキュー。 おまえ名前は?」 『僕?ナギだよ。』 「ナギか?よいっしょっと。」 ネルが羽を広げた。 その姿に驚きを隠せない。 『君、、、。』 「君なんて、よそよそしいのはやめようぜ。 ネルでいい。」 『わかった。 ネルは右と左の翼の長さが一緒なの?』 「ナギは違うのか?」 僕は自分の翼を広げてネルとは違う翼を見せた。 「ナギこれは生まれつきなのか?」 『そうだよ。 今までみんなこうなのかと思ってた。』 ネルが僕の翼を見て驚いている。 僕もネルの翼が同じ長さな事に驚いていた。 僕は右翼の方が左翼に比べて1/3くらい長い不均等な翼を持つ。 確かに羽が伸びてくると飛びづらいが、木に羽を擦り付けて長い右翼側の羽を自分で削る。     
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