3.1話

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『そうなんだ。仲間ってたくさんいるの? ってかネルはどこから来たの?』 「ここからだいたい50キロ更に南下した島で1500羽くらいでみんなで住んでたんだ。」 『ネルの島はそんなに渡りカモメがいるの?』 「ああそのくらいはいるな。 その中でも飛行速度なら負け無しだった。 今年向かうのはだいたい300羽くらいだろう。 毎年辿りつけるのは数羽くらいらしいぜ。」 『ねぇ、なんで僕達渡りカモメは佐渡ヶ島を目指さなきゃ行けないのかな?』 「オレの島じゃな、佐渡ヶ島で卵を産むと更に大型鳥類に生まれ変われるって言われてる。 超有名なトキって知ってるか?」 『知らない、、、。』 「日本に数話しかいない、超希少な鳥の中のキングだ! あれは渡りカモメの生まれ変わりと言われている。 トキになれば人間からも崇められ、鳥の神様の様になるんだ。」 『そうなんだ。 だから、僕も佐渡ヶ島に行かなきゃいけない本能だけが残ってるのかな?』 「そうだ。 渡りカモメは2度卵を産み、死ぬ。 1回目はトキになるのを夢見て飛び立つ前に卵を産む。 2度目は1ヵ月半後勝手に産むんだ。 産んだと同時に死ぬオレ達は。」 『死んじゃうの?』     
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