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『ネル!僕も一緒に向かっちゃダメかな?』
エッ?って顔でオレを見ていた。
「おまえオレに着いて来れるのか?」
『わかんない、、、。
でも飛ぶのが大好きなんだ。
もし一緒にそんな遠くまで飛べるなんて出来たら僕、、、。』
「オレな、もうすでに他の渡りカモメより4日近くロスしてるんだ。
だからある程度速いペースで飛ばなきゃ行けない!
そんなに楽しい旅じゃないかもしんない。」
『僕はネルと一緒に飛びたい。』
「そうか、、、。
じゃあこの先にある積乱雲が無くなるまで3日ある。
明日どれだけのスピードで飛べて、飛び続けられるかテストして、着いて来れそうだとオレが判断したら行こうぜ。」
『本当?』
「1人で先に夢を叶えるつもりだったけどな。
命の恩人だからな。
でも体力的に見て無理そうなら容赦無く3日後置いていく。
それでもいいか?」
…僕の夢はなんだろう?
…別にトキとか大型鳥類になりたい訳じゃないけど、
…僕は楽しく笑顔で空が飛べればそれでいい!
…ずっと1羽だった。
…1羽で飛んでも充分楽しかったんだ。
…きっと一緒に飛べればもっともっと楽しい気がする。
『わかった。
それでいい。』
「じゃあナギ明日早くから一緒に飛んでみよう。
今日は遅いからこの木の上で寝るとしようぜ。」
『うん。』
そう言って、僕のお気に入りの島の1番高い山の木の上で、2羽は目を閉じた。
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