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悲鳴が聞こえたのはどうやらトイレらしかった。
ざわめきが広がってく店内で僕は一言「大丈夫です。」
と言い、騒ぎを鎮火させた後でトイレへと向かった。
声に聞き覚えがあった僕は迷わず女子トイレの扉にを開ける。
そこにいたのはやはり店長(26歳、男性)であった。
「何してるんですか。店長。」
そう声を掛けると店長は興奮しているのか赤みがかった顔で言った。
「見てよ聡クン。ここは女子トイレ。そしてこの便器の中にあるのは女性の糞。誰が流し忘れたのかは知らないがなんて私は幸運なんだ。」
あれれ、おかしい。店長はこんな凄まじいレベルの変態では無かった筈だ。確かに店長は色々な事に影響を受けやすい性格だが一体何が彼をここまでの変態に仕立てあげたのだろうか?
「店長。何でそんなに興奮しているんですか?」
「フッフッフッ、実は今日TVでしていた占いのラッキーアイテムが女性がトイレで流し忘れた糞なのだよ。」
「あ、そうですか。もう見れたんでOKですね。じゃあ掃除しておくんでどいて下さい。」
「いやいや聡クン。君は確か射手座だろ。射手座のラッキーアイテムはね...」
何かを語り始めた店長を視界から消して僕は黙々と作業を続ける。
「ラッキーアイテムが何なのか知りたいだろ。えっ、知りたいって?しょうがないなぁ。特別に教えてあげよう。射手座のラッキーアイテムはね道路に捨てられたミント味のガムを踏んでしまったミドルカットのシューズだよ。色指定は無いよ。」
無視されても尚、熱弁を続ける店長に僕は笑顔を向けて告げる。
「店長。僕はドリンク棚の補充をしてたんでそっちに行ってもらって良いですか?」
「いやいや聡クン。この占いのこと信じちゃいないでしょー。実はね...」
笑顔のまま僕は黙って拳を向ける。
「ハイ!ジュース棚の補充ですね。今すぐやらさせていただきます!」
そう言うと、店長はジュース棚の補充を始めだした。
はぁ
店長変わって欲しぃ
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