18人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういえばさ」
「はい」
「あんたを昨日もこの辺で見かけたけど、何してるのさ」
と言っても見かけたのは昨日と今日だけ。
「あんたではありません、クーナという名前があります」
「悪かった、気を悪くしないでくれ」
「あなたは?」
「---だよ、とりあえずよろしく」
「・・・宜しくお願いします」
なにをヨロシクし合ったのかは知らんが
挨拶は大事だよな
「で、何してたのさ?」
「あなたには関係ありません」
「なら聞かん」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
この子と話してると沈黙ばかり
凄い疲れるんだが
「これも何かの縁ってことで話してくれよ、別に言いふらしたりはしないって」
何か喋って貰わないと空気がもたん
「・・・・がしてるんです」
「ん?」
「弟を探してるんです」
「弟か」
「といっても今は裏切り者です、あいつは」
弟を探してて、その弟が裏切り者とは
凄い意味深だな
めんどくさそうだから聞かなければよかったかもしれない
「よくわからんが、大変そうだな」
「・・・・・」
これはどう言ったらいいかわからん
色々頭の中で考えた
「手伝おうか? 弟さん探すのさ」
事情を聞いてしまった以上、何もせず立ち去るのも後味が悪い
「・・・・は?」
「毎日暇で暇でしょうがないんだよ」
実際はクソがつくほどめんどくさい案件を押しつけられまくってる
あのシオンとかいう女を筆頭に色々な奴から仕事を投げられる。
今回ここにいるのもアークスの本部から緊急の調査を頼まれたからだ。
ただなんとなくこの子を放っておけないと思ってしまう
気まぐれかもしれないけど。
最初のコメントを投稿しよう!