ビンゴー!

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よく仕事帰りに立ち寄るコンビニ、夕飯と缶ビール一本を買っていつも通りレジへ。 20歳以上であることの確認のために画面をタッチ。レジに856円と表示され、1000円を出してお釣りをもらう。 「お客様、ただいまキャンペーン中でありまして、700円以上お買い上げのお客様にくじを引いてもらっています。この箱から一枚くじを引いてください」 ニコニコと素敵な笑顔の女の店員さん。名札には、「川上」の文字。長い黒髪に丸い顔、黒縁眼鏡で可愛らしい、女子大生だろうか。 選ぶこともせずに、何気なく取ったくじ。 「あ!」 「あ、ビンゴ」 「ビンゴ!」 「ビンゴビンゴビンゴー!ビンゴー!!」 「ビンゴビンゴビンゴー!ビンゴー!!」 川上さんや、店のお客さんたちが歌いながら踊りだす。店の奥から店長までやってきて踊りだした。 「おめでとうございます。1等です」 「え?何がもらえるの?」 「さて、何がもらえるでしょう。4択です。 1、お店の中の好きな商品 2、100万円 3、「川上さん」 4、店長 答えてください。」 戸惑う僕に川上さんは笑顔でカウントダウンを始める。 「ファイブ、フォー、スリー、ツー、ワン、」 「じゃ、じゃあ、1の好きな商品」 一番現実的なものを選んだ。正直めんどくさい。早く家に帰りたかった。 「ぶーーーーーー残念」 「正解は、3の川上さんでした。袋には入らないので、手を繋いでお持ち帰りください。」 「あの、ご迷惑ではありませんか??」 上目遣いに目を潤ませて聞いてくる川上さん、破壊力抜群の可愛さをもっていた。 しかし、 「あ、既婚者なんで・・・」 代わりに店長をもらって帰った。
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