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夕方、待ち合わせ場所に立つ平ちゃんを目にして逸る胸、でも彼は以前と違った。
人の波に押され慣れない浴衣と下駄で(買っちゃったから勿体無いからだから)遅れがちになる私の手を握る彼に笑いかけると目を逸らされた。
前は大天使みたいに微笑んでくれたのに。
浴衣が似合ってないとか、大学の美女と比べて見劣りするなと嫌気がさしているとか……
大丈夫、ショックなんか受けてない、ちゃんと言い聞かせて来たもの。
会場に着いて、奈倉家の会社の席らしい協賛者席に案内され(そうかチケットが余ってたからか)と思ったけど、不満なんか言わない。
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