白い死に神

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白い死に神

子供の頃、入院していた母の病院によく見舞いに行った。 そこにはタッくんと言う私と同い年の男の子も入院しており、いつの間にか仲良くなった。 彼は一人部屋に入院しており、寄るといつもゲームボーイをしていた。 入院している彼の最大の楽しみだったのだ。 私も好きだったので、タッくんとはゲームの話をしたり、ソフトの貸し借りをした。 そんなある日、借りたゲームを返そうとタッくんの病室へ行くとドアが少し開いていた。 入ろうとしてドアに手をかけると中が見えた。 白い服の女性が、タッくんに覆い被さるようにして身体を屈めている。 最初は看護師さんかと思った。 タックんは具合が悪いのだろうか? だが、違うことがすぐ判った。 女性が顔を上げるとその顔は、髑髏のように真っ白で、こちらに向けられた眼には眼球がない。 私は慌てて母のところへ逃げ出した。 その日は、もうタッくんの病室を訪れる勇気はなかった。 しかし、借りたゲームもある。 再び母の見舞いに行ったとき、私はもう一度タッくんの病室に行かなければと思った。 しかし、再びアレがいたらと思うと怖かった。 ところが、母の病室に行くと、タッくんは私が前回訪れた日に亡くなったと言う。     
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