メリークリスマス  ~トナカイより愛を込めて~

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 だが、みんながもう帰ろうかという頃、わざと大きな声で真尋が言い出した。 「もうすぐ兄貴来るみたいだから、遥ちゃん、待ってなよ」 「あ、そうなんだ?  じゃあ、遥、お先ー」 とみんな帰っていってしまう。  だが、他の客も引けてきても、航が来る気配はなかった。  真尋が後片付けをするのを見ながら、遥は真尋に正直な気持ちを打ち明けることにした。 「嬉しかったです」  そう言うと、後ろの棚にカップを片付けていた真尋が振り返った。 「真尋さんみたいな方に、あんなこと言っていただけるなんて」  だが、そこで、真尋は渋い顔をする。 「……いきなりものすごい社交辞令から入ってくると、ああ、ほんとに駄目なんだなってよくわかるよね」
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