6233人が本棚に入れています
本棚に追加
/586ページ
だが、誰に話しても、はいはい、と流されてしまいそうだ。
そして、恐らく、迷惑極まりない。
一体、誰に話せば……。
一瞬、航の母、千佐子の顔が頭に浮かんだ。
頼りになりそうだからだろう。
だが、あの気っ風のいい性格だ。
課長の意思もこちらの意思も構わずに、しのごの言わずにとりあえず、結婚しろ、とか言い出しそうだ。
誰か。
……そうだ、まどかさんに会いたい。
まどかさんなら、課長のこともよくご存知だし。
恋のライバル、まどかさんに話を聞いてもらいたい、と思うほど、遥は思い詰めていた。
暴走する妄想を口に出していれば、誰かが止めてくれるのだろうが、心の中で思っているだけなので、誰も止めてはくれなかった。
最初のコメントを投稿しよう!