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「あれっ? 課長、どうしたんですか。
珍しいですね。
この電車だなんて」
といつもよりかなり遅い電車に乗った航は、遭遇した古賀遥に言われた。
寝過ごしたのだ。
明け方まで考え事をしていたせいだ。
っていうか、お前、いつも、この電車なのか。
遅刻ギリギリじゃないか、と思う。
「わかった。
朝まで本読んでたんでしょう」
と遥が勝ち誇ったように言ってくる。
……お前のせいだろうが。
と思ったのだが。
遥のことを考えていて朝になった、などと言おうものなら、あらぬ誤解を呼びそうなので、口にはできなかった。
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