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「…………意味が分からない。私たちがここで待ち合わせてること、道孝に聞いてたの?」 「……まぁ」 「なんで……来ないの?」 「…………」   疑問符ばかりが頭の中に充満する。座ったままで甲斐くんのジャケットの袖を引っ張ると、彼は、 「会えない彼氏なら、もう別れたら?」 と言って隣に座った。問いの答えにはなっていない。 「道孝からはメールきてないのに、なんで道孝が来なくて甲斐くんが来るの?」 「…………」 「ねぇ」   ホームに点いた照明が少しずつ明るくなってくる。よく知らない土地だけれど、夕方の空気はどこも同じだ。ちょっとずつちょっとずつ、辺りが暗くなっていく。 「……道孝は、私にどうしても会いたくないってこと?」 「…………」   甲斐くんは肯定も否定もしない。 「それじゃあ、なんで甲斐くんは、道孝から連絡もらってすぐに私に電話くれなかったの?」   わざわざこんなところまで来なくても、私の連絡先を知っているのに。 「待たされてアイツに愛想を尽かせばいい、って思って」  
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