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  双子たちに見せるのと同じような無垢な笑顔を向けてくれるようになった彼女も、俺と真智が交際していると信じて疑わない能天気な彼女も、「女の子は言葉と行動両方必要」だなんて矛盾している彼女も、いつしか愛しく感じるようになっていた。 デザートを美味しそうに食べるところも、お礼でわざわざ頭を下げるところも、バイバイと手を振る仕草でさえも、いちいち俺の心をくすぐった。 ただ、いつもガラスを踏むような痛みを伴いながら、その小さな破片を胸の中に貯め込みながら。 『そういうこと言うの、どうかと思うよ?』 『どうして?』 『私じゃなかったら、勘違いされるよ、その言い方』   勘違いしてほしかった。気付いてほしかった。タチの悪い痛み方をするこの心に。   触れたかった。道孝が死んでもなお大事に想う彼女なのに。   なんていやな役回りなのだろう。 半端なく面倒くさいよ。お前があんなこと言わなければ、俺はもっと気楽に高校生活を楽しめていたはずなのに。 倫とはそれから喋らなくなった。彼女は以前にも増して、笑うようになったけれど。        
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