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「〝道孝も頑張ってね〟?」 「いや……」   迂闊だった。倫とのメールのやりとり画面のままだった。だから、アラーム画面を閉じたら、そのままその内容が表示されていて……。 「だれかと道孝の話をしてたの? ……ん? 違うわよね、その文の流れじゃ」 「…………」 「それに差し出し人が…………〝倫〟? 倫て…………たしか」 「真智、ストップ」 「……道孝の……彼女じゃ……」 「…………」   真智の顔がどんどん曇っていく。しばらく顎に手を置いて考えた後で、怪訝そうなその目をこちらに向けた。 「わけが分からないわ。……何をしてるわけ?」   俺は真智の前では、昔から嘘がつけない。繕ったところで、結局その洞察力と俺の些細な態度の変化でバレてしまうからだ。   でも、これを言ったら、真智がなんて言うかは分かっている。だから、無言を決め込んで視線を逸らす。 「敦義。教えて」   ただ、この気の強い幼馴染みを前にして、そう徹することができるかどうかは明らかだった。
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