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「…………」
ケータイでウェブメールのアカウントにアクセスして、道孝が引っ越してからの2ヶ月足らずのやりとりを見た。俺は、前のめりにしていた体を椅子の背にようやく預け、大きなため息をつく。
「…………悪趣味だ、こんなの」
自分以外のメールのやりとり、しかも仲が良かった従兄弟の恋人とのやり取りは、精神的にけっこうクるものがあった。
最初の電話はばあちゃんちからかけたんだろう。入院中、道孝の病棟はパソコンの使用が可能だと言っていたから、その後のメールのやりとりは病室で。後半、返事が返せなくなったのは、時期的に…………。
「バカだな、アイツ」
喉元が熱くなるのを感じた俺は、顎を上げ、無理やり頭を振って紛らわせる。道孝がどんな心持ちだったのか、と考えないように。
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