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お寺さんが帰ると母は用事があると出かけていった。今朝は寝損ねて眠かったので、仏間の座布団を3枚並べて寝ころんでいた。
暑くも寒くもない心地よい風が吹き込んでいた。知らぬ間に眠ってしまったようだ。
ふと、誰かに呼ばれた気がして瞼を開いた。
真上から覗き込む祖父の顔が見えた。一瞬で現実に引き戻され、飛び起きようとしたが身体が動かない。金縛りだ。
じいちゃんと必死に声を出そうとしても喉の奥でひっかかったまま声にならない。いつの間にか祖父は自分の脇で正座をして俯いている。
見た目は祖父だというのに恐怖が襲ってきた。矛盾しているが目を動かして祖父に助けを求めた。
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