もういくつ寝ると、高校生

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もういくつ寝ると、高校生

―――ここは、どこだ?何もない暗闇の中、俺はただ座っている。 360度ぐるりと見渡してみてもやっぱり真っ暗だが、ふと地面でなにか動いてるのが目に入った。スポットライトを当てられたように、そこだけ色が浮き彫りになっている。小さい足を動かして、ゆっくり歩いている虫は―――ダンゴムシだ。 『これ、なんだ?』 急に横から子どもの声がした。 驚いて振り向くと、俺の隣にはぼんやりと人間の形をした光があった。声と同様、シルエットも子どもにみえるそれは、俺と一緒にしゃがんでダンゴムシを見ているようだ。 『ダンゴムシだよ、知らないの?』 俺の口が勝手に動き始める。いまよりもずっと高い声で、舌っ足らずだ。 『知らない。初めて見た。』 『じゃあ……ほら、こうしてつつくと丸まるんだ。おもしろいだろ!』 『うわっ、すげえ!』 俺の指が勝手にダンゴムシをつつけば、丸くなったその姿に隣の子ども(仮)がさらに前のめりになった。 顔も何もついてないただの光のシルエットだが、子どものキラキラした顔が目に浮かぶようだ。
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