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「うわあああああああああ!!!」
「おわっはぁ!?びびったぁ!」
「あ、あれ………陸?」
飛び起きてみれば、そこは公園じゃなくて自分の部屋だった。
よかった、いまのは夢か。俺、生きてるのか……ひとまずパジャマを着た身体のどこにも血が付いていないことを確認し、ほっと息を吐いた。ベッドの上なのに、まだ心臓が全力疾走したあとの様に音を立てている。
一方、陸も俺の雄叫びに相当驚いたようだったが、すぐにテーブルの上のコップを手に取ると、ベッドのそばに来た。
「大丈夫かー?いまのは色々と酷かったぞ。ほら、お茶飲みな。」
「ありがと……って、なんで陸がいんの?」
「秋人が風邪で学校休むなんて珍しかったからさ、お見舞い。もう5時半だぜ。」
ああ、そうだった―――昨晩人生で2回目の最悪な体験をした俺は、夜の公園を転げまわったせいで、家に着いたころには小汚い濡れネズミと化していた。
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