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この世の人間は、出生時の診断で2種類に分けられる。生きるために吸血を必要とする吸血種『ラミア』と、必要としない非吸血種『オリジン』だ。
大昔は人間は1種類しかおらず、すべてが非吸血種だったらしい。その後、変異種として誕生し、どんどん数を増やしていったのが吸血種だ。
この『ラミア』と名付けられた新種の出現後、非吸血種は人間の原型という意味で『オリジン』と呼ばれるようになった。
ラミアとオリジンの違いは何か、と言われると、さっきも言った通り、第一に吸血行為をするかどうか。
そして第二に、ラミアはオリジンよりも身体機能や能力が優れている場合が多い。
たまに「ラミアはオリジンの進化体だ」と言われることもあるが、ラミアは生きる上で食事とは別に、オリジンの血の摂取が必要不可欠だ。その時点で、ラミアはオリジンに依存してるとも言える。
一方で、ラミアもその身体能力を生かして、度々姿を現しては人間を襲う化け物……『ヴィズ』を排除したり、新感染症の抗体を早く身に着けることで、治療薬の開発に貢献したり……と、オリジンにとって助けとなる大きな存在だ。
つまり、持ちつ持たれつの共存関係。
……であるのだが、その前に大きな問題点がある。
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