人を呪わば、穴二つ

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例えば、幼いラミアが同世代のオリジンと遊ぼうとしたとき、ちょっと力の加減を間違えるとヤバイ事態になるだろう。 また、吸血も同じで、おやつ感覚で噛みついたはいいが、うっかりダイソン並みの吸引力で吸ってしまうと、俺たちオリジンはカラカラに干からびてしまうのだ。 考えただけでも笑えないが……幼いラミアにとっては何が間違っていたか理解できないし、そもそも自分の力をコントロールすることができない。 では、どう対策するかと言うと―――ラミアとオリジンは生まれてから中学卒業までの一定期間を、それぞれ別の学習機関に通っている。自身やお互いの性質についてみっちり学ぶことで、共存に必要な知識やルールを身に着けるのだ。 その間、ラミアは吸血できる人間が身近にいないが、オリジンには定期的な献血が義務付けられているので、血液の供給に問題はない。直に飲むか、パックに入っているかの違いだけだ。 そして、高校入学後―――ラミアとオリジンは共学となり、いよいよ一緒に生活する実践が始まるのである。 ……が、ここで俺のトラウマが炸裂するのだ。
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