303号室の同居人

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「―――だからっ、今日も……中3の時も、助けてくれて本当にありがとうございました!」 「………へえー?ほんとにそう思ってんの?」 「お、思ってるよ!」 「バター、敬語。」 「…思ってますよ!!」 「どうだかー?命の恩人のこと、くそラミアだって言ってたくそオリジンの言うことだからな。くそラミアには信用できねーわ。」 さっきの顔はどこへやら、結城 千隼は俺のことを見下ろしてニヤニヤしている。……ほんっと意地が悪い!世の中の女の人はこの性悪のどこがいいんだ!?顔か!?顔なのか!? 俺は中の綿が出そうな勢いで枕を握りしめながら、必死に声を絞り出す。 「どーもありがとうございましたっ、ゆ、ゆゆ、結城…先輩…っ。」 「ははっ、仕方ねーやつだなぁ日野後輩は。」 ああー!くやしいー!! 満足げに満面の笑みを浮かべる顔に枕を叩きつけたら、どんなにスカッとするだろうか。 でも、ちゃんと我慢してお礼を言った俺、よくやった。それに、こいつだって言動はムカつくけど、少しは良いところがあるってことだろ―――― 「そうそう、スマホのロックぐらい設定しとけよ。じゃーな。」 「………はぁ?」 バタンー――― 玄関が閉まる音を聞いたあと、俺は数秒間自分のスマホを見つめた。 「……ラーメンはお前の仕業かあああ!!!!」 303号室の同居人……結城 千隼は、やっぱり最悪だ!!
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