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「特に僕のようなモノや人じゃないモノたちはそう言ったことが得意だから」
十時さんはそうおっしゃられると困ったような表情で微笑まれてお店の中を歩きだされた。
僕は何のお返事もお返しせずに十時さんの後ろに付いて歩いた。
十時さんは必要な材料が並べられている棚の前で立ち止まられるとその必要な材料を手に取られて、ちゃんとその材料に目を通されてからカゴの中に優しく入れていかれた。
「雪は今、何か望むことはないの?」
「え?」
えのき茸を手に取られると同時に十時さんは僕にそんな質問を投げ掛けられた。
僕はその突然の質問に悩んでいた。
何か望むこと・・・とは一体、どう言ったことなのだろう?
「何か欲しいものとか・・・どこか行きたいところなんかはないの?」
そう質問を続けてくださった十時さんに僕は感謝した。
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