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「・・・わかりました。明日、天気がよければ一緒に行ってみましょう」
優しく微笑みそうおっしゃってくださった十時さんに僕は目を丸くさせられた。
まさか本当に僕のそんな我が儘を聞いてくださるとは思ってもみなかったからだ。
『駄目』と言われれば落ち込みはしただろうけれど、それだけだ。
次の瞬間には僕はいつものように微笑み『わかりました』と言っていたに違いない。
けれど、まさか返事が『行きましょう』とは思ってもみなかったし、それがまさか明日だなんてびっくりだ。
だから僕は目を丸くすることしかできなかったけれど、僕は確かにそれを『嬉しい』と感じていたし、何よりもそれを『幸せ』だと感じていた。
だから自然と僕の目には涙が滲んだ。
「雪？ どうしたの？ どこか痛いの？」
そう心配してくださる十時さんに僕はゆるゆると首を横に振り『違います』と言って微笑んでみたけれど、微笑んだことで細まった僕の目からはポロリと涙がこぼれ落ちてしまった。
僕はそれに慌てて、抱きついていた十時さんから離れてまだ滲んできている涙を両手の手の甲で拭っていった。
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