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小さかった頃、引っ越しを経験しました。引っ越し先は結構な田舎で、田畑が延々続くような場所でした。
慣れない環境に不安もありましたが、それを察する力は両親には有りませんでした。しかし、誰にも構って貰えず一人ぼっちだった幼児に、年の近い子が話し掛けてくれたのです。
「一緒に遊ぼ?」
寂しくて退屈していた私は、その申し出を直ぐに受け入れました。その子は、秘密の場所、大人の目が届かない場所を色々と教えてくれました。
その子と遊ぶのは何時も人気の無い場所で、変わりに人の手の入っていない草花が沢山生えていました。ずっと昔から居ると言うその子は、食べられる実や甘い蜜を吸える花、擦り潰すと染料になる草花も教えてくれました。
その子とは、草丈の高い場所で待ち合わせ、日が暮れるまで遊び続けました。流石に雨の日は向かいませんでしたが、殆どの日をその子と遊んで過ごしたのです。
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