サーディアン氷山

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だがここで終わりではない。 打ち上げたところに今度は緑色の魔法陣を纏わせ、片腕を下から上に振り上げる。 ラグナ「【エルマオン】」 唱えた瞬間、打ち上げた十三班、十四班目掛けて緑の竜巻が発生し、その全てを飲み込んだ。 飲み込んだのはいいが、上からグチャグチャと嫌な音が鳴り、血飛沫と内臓らしきものが飛散する。 多分だが、風の勢いが強過ぎて刃になってるんだろう。 「だ、第十三班と第十四班が全滅!!」 「ば、馬鹿げてる…!!」 「い、いやそれだけじゃない!!第二界魔法を三回使ってるのにピンピンしてやがる…!!」 ゆっくりと歩いてると前にいる兵士達からそんな会話が聞こえる。 いい感じに絶望してんな。 「お、おい!!こっちに来るぞ!!」 「おお、怯えるな!!戦い続けろ!!」 「ば、馬鹿言え!!あんなのと戦うのなんて自殺行為だ!!」 「たた、退避ぃ!!退避ぃ!!」 あ、とうとう他の兵士達が逃げ出した。 普通なら追い打ちとかするんだろうけど…その必要性はないな。 だって… レヴィリア『逃がすと思ってる?』 「がはっ…!?」 逃げる先にレヴィリアとそれについてきてる竜達が通せんぼしてるからだ。 先頭を走っていた兵士がレヴィリアが持つ鋭い一本角で串刺しにされてやがる。 それを合図に他の竜達が前に出て群がる兵士達に容赦なく食らう。 あとレヴィリアが連れてる竜は全員翼の生えてるラプトル型、そして鱗の色は白である。 …となればあれはビャクレン部隊と俺は見た。 レヴィリア『主様。ここはボク達に任せて』 兵士の悲鳴が飛び交ってる中、レヴィリアは俺にそういう。 …頼れるのはいいが角に兵士が刺さってるんですけど。 ラグナ「おぅ、任したぞ」 俺はレヴィリアとその竜達が戦ってるところを尻目に前へ進む。
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