失った片腕から痛々しいほどの血液が飛ぶがどうしたと言わんばかりにイリスが歩き始めた。
ギリアム『…マジで渋てぇな、テメェ』
最初は驚いたものの、ギリアムはイリスを見てそういう。
その発言は渋とさについての苛立ちと素直に褒めていると二つの意味を合わせた発言である。
イリス「私は……何としても……勝つ……!!」
ギリアム『…んあ?』
ゆっくりと歩くイリスを眺めているとギリアムはあることに気付く。
最初は鎧だらけで気付いていなかったが、胸の鎧が砕け散ってる部分に一つの首飾りが掛けられている事に気付いた。
ギリアム『…おい、何故そこまでにして俺様達を恨む?』
少し気掛かりなのかギリアムは珍しく人間に尋ねた。
イリス「はぁ……私は……殺されたのだ……」
しかし返ってきたのはイリスの弱々しい声。
だがイリスは続けて言う。
イリス「私、の……愛する人…が、貴様ら…竜に……殺され……ゲホッ…!ゴホッ…!」
ギリアム『…なるほど、復讐か』
イリスは途中で途切れたがギリアムは理解出来た。
ただ単にイリスが愛していた人物が竜に殺され、その復讐に竜を根絶やしにする、と約束したのだろう。
そしてその首飾りは恐らくイリスがいう愛していた人物の形見だと思われる。
ギリアム『だがよ、一つだけ言わせろよ』
理解した後、ギリアムは口を開く。
ギリアム『その愛してる人物だが何だが知らねぇが、そいつもどうせ俺様達竜の縄張りに勝手に上がって虐殺したやつなんだろ?そうなら竜だって逆ギレするし、殺しにかかってくる…。
…それは単に【テメェの都合のいい自分勝手なわがまま】なんじゃねぇのかぁ?あァ?』
イリス「それ、は…違、う…!!」
…イリスは否定してるがギリアムが言ってる事はあながち間違ってない。
人になんも被害を出していない竜の縄張りに自分以外の者が入るとなれば誰でも警戒する。
そして最終的には殺し合いとなるケースが多い。
…ただ、イリスが愛してる人間はその殺し合いになって竜に殺されただけである。
ただそれだけ、ただそれだけのこと。
自然とはそれほど厳しい世界である。
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