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そして、七人の美しい幽霊を描いたところで、キャンバスの余白が無くなった。
彼女は筆を置き、老眼鏡を外すと、
「さー、出ておいでー」
七人の美しい幽霊は、キャンバスから抜けて、彼女の前に現れた。
すると中ほどの幽霊が、
「幽子、何か食べ物をちょうだい。私達お腹ペコペコなのよ」
幽子は、いつも食事してから絵を描いていたので、何もなかった。
「第一、幽霊なんだから、お腹はへらないでしょう」
「なに言ってるの、私達、あなたの分身なのよ」
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