プロローグ

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……10月初旬…… 日曜日の午前7時……百合根町の北にあるデートスポット、『百合根池公園』……。 春は桜、秋は紅葉と、百合根町にて若者からも人気が高いデートスポットだ。 普段なら朝はジョギングやウォーキングで身体を動かす者達……昼から夕方にかけては、若い男女の憩いの場と、老若男女年齢を問わず人だかりも、そこそこあるが……今朝は、今週の日曜日は違った。 百合根池沿いの遊歩道は、警察関係者を始め、マスコミ関係の人間などで、騒然としていた。 その警察関係者の中に、警視庁捜査一課の今野刑事もそこにいた。 「これで……二人目か……」 そう言った今野の視線の先には、女性の遺体があった。 遺体は仰向けで地面に横たわっており、上半身には大きくバツ型になった切り傷があった。 今野は遺体の側でしゃがみ、遺体に手を合わせ、目を閉じた。 「若いのに……無念だろう……」 すると鑑識の人間が今野に言った。 「お疲れ様です……」 今野は閉じていた目を開き、鑑識に向いた。 「で……やはり百合根古墳の被害者と?」 「はいっ……同じです。首を絞めて絞殺した後に、上半身を鋭利な刃物で切っています……そして口の中には『星形に折られた折紙』が……」 今野は頭を抱えた。 「同一犯か……で、今回も?」 「はい……今回は『2』でした……」 今野は呟いた。 「『星形の折紙』に数字の『2』か……猟奇的な……」 今野は拳を握りしめ、怒りで身体を震わせた。
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