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所詮は他人
午前の診察が終わり久保は食堂に向かった。すると見慣れた背中が居たので声もかけずにそこに座る。
「・・・久保先生。声くらいかけてくださいよ」
「元気ないな来宮」
「疲れているだけです」
来宮と呼ばれた男は、先の「院内爆破・復讐事件」において、斉藤綾香を守って負傷した消化器内科医だ。幸い処置が早かったため復活も早く既にバリバリ働いて・・いや、働かされているらしい。
「相変わらず愛想の悪いやつだな。・・・身体は大丈夫なのか」
「おかげ様で。心配してくれるんですか」
「・・・これ以上人手が減ったら困るからな。」
「俺が先生のお役に立ったことは無いと思いますが」
来宮の冷たいつれない返答の連続に久保は舌打ちする。来宮は気にする様子も無い。年は久保の方が10歳ほど上だがこのような関係が楽でよく一緒にいることも多い。
「お前・・・三谷家に感謝しとけよ・・・」
三谷家というのは久保の同期の循環器外科医だ。来宮が撃たれた後、真っ先に飛んできて処置して命を救った。熱意があり腕がいい医者だがおせっかいで来宮とは少々そりが悪く(笑)。
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